2018年2月23日

フィルムカメラの電池

フィルムカメラの電池

今の時期にフィルムカメラを使うとなると露出計の電池に困る。
当時よく使われていたのはMR9(H-D)という水銀電池だった。


Canon F1と電池

キヤノンF1はMR9(H-D)を1個使い、電池室はボディの底にある。


Leica CLと電池

ライカCLもMR9(H-D)を1個使い、電池室は裏蓋を取り外したボディの底にある。


Nikon Fと電池

ニコン F フォトミックFTNはMR9(H-D)を2個使い、電池室は取り外したフォトミックFTNファインダーの裏にある。

現在はMR9(H-D)は製造されていないので、代替えの電池を使うことになるが、
このとき迷うのがSR43、SR44、LR43、LR44のどれを使うのかということである。
入手しやすいのはLR系でコンビニでも手に入る、SR系は家電量販店で手に入れることができる。
このほかにWein社の空気電池1.35Vがあるが、ライカCLでは装填がきついらしい。

MR9及び、代替えとして使える電池の規格は次の通りである。
  • SR43 約φ11.6×4.2mm 1.55V
  • SR44 約φ11.6×5.4mm 1.55V
  • LR43 約φ11.6×4.2mm 1.5V
  • LR44 約φ11.6×5.4mm 1.5V
  • MR9(H-D) 約φ15 x 5.5mm 1.3~1.35V
代替え電池はMR9と比べて径が小さいので、アダプターが必要だが、
このアダプターは関東カメラサービスなどで手に入れることができる。


左:キヤノンF1で使用、右:関東カメラサービスで入手

MR9(H-D)が廃止されたのはフィルムカメラの時代で、当時キャノンのサポートでもこのアダプターを販売していたので、
手に入れてキヤノンF1で使っていた。

アダプターは電圧変換型・無変換型があって、
電圧変換型は水銀電池MR-9の外観形状に合わせてくれて、電圧1.55Vを約1.35Vに変換してくれ、
無変換型は外観形状に合わせてくれてるが、電圧はそのままだ。

では、LR系とSR系のどちらを選ぶかということだが、
LR系はSR系と比較して安価だが、使い始めから徐々に電圧が下がり、
SR系は使用中の電圧降下が少なく、終わり頃になると急に電圧が下がる。
なので、露出計のように安定した性能を求めるものにはSR系が適している。

次はSR44とSR43のどちらを選ぶかということだが、
SR44はSR43より厚みがあるので、電圧変換型アダプターでは推奨されていない。
なのでSR44は無変換型アダプターで使うことになる。
無変換型アダプターは安価で、この組み合わせもいいのだが、電圧が高いので露出計の針が振れ過ぎてしまう。
それを補正するにはASA感度を使えばいいのだが・・・


SR43と電圧変換型アダプター

ということで、一番無難なのはSR43を電圧変換型アダプターに入れて使うことだが、
それよりも古いフィルムカメラの露出計の精度の方が問題なので、
あまり気にすることなくSR44と無変換型アダプターでも良いかもしれない。
ただ、規格外の電圧のため故障の原因になるかもしれないので自己責任で。

今は、SR43を電圧変換型アダプターを使ってライカCLに入れて使っているが、
バッテリーチェックをするとメーター指針が定圧の位置に振れているので問題ないようだ。

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