2017年11月22日

モニターのキャリブレーション

今まで使っていたI-O DATAのモニターが、画面の上と下で明るさが違ってきた。
普通に使っているとあまり気にならないが、ローキーな写真では中間部の明るさが違ってくる。
つまり写真の上と下で明るさが微妙に違っているのだ。

そこで、モニターをDell P2016 に入れ替えた。
アスペクト比16:10で、19.5インチのIPS ノングレア、解像度が1440x900である。
サイズと解像度は今までのI-O DATAのモニターと全く同じだ。
アスペクト比16:10のモニターはフィルム比の3:2に近く、写真では使いやすくて好きなのだが、
だんだんと少なくなってきているようだ。


i1Display Pro

新しいモニターなので、とりあえずX-Riteの「i1Display Pro」を使ってDell P2016のキャリブレーションをしてみる。
「i1Display Pro」を使えばハードウェア キャリブレーションができないモニターでも、
ソフトウェア キャリブレーションをすることができる。

ハードウェア キャリブレーションは、白色調整、階調調整、輝度調整などを、
パソコンからの情報ではなくモニター自身で変換して色表示をする方法である。
それに対してソフトウェア キャリブレーションは、モニターの特性を測定した結果として作成されるICCプロファイルを基に、
パソコンのビデオドライバーなどで変換をしてモニターに表示される色を調整する方法である。


i1Profiler

「i1Profiler」アプリを起動して、ユーザーモードは詳細にする。
次はワークフローセレクタから「ディスプレイープロファイル作成」を選ぶ。
キャリブレーションするディスプレイでDell P2016を選び、光源を「白色LED」にする。
白色点は「CIEイルミナントD65」で色温度6500Kを、輝度は120cdを選ぶ。
プロファイル設定はデフォルトを使う。
ガンマは2.2。


「i1Display Pro」をモニターにセット

ブライトネス、コントラスト、RGBゲインの調整にチェックを付ける。
モニターを工場出荷状態にリセット、「i1Display Pro」をモニターにセットして測定を開始する。


RGBゲインのテェック

最初にコントラストのチェックが自動で行われる。
次にRGBゲインのテェックが行われ、左上に結果と調整パネルが表示される。
ここではRゲインの値に黄色の上矢印が出ているので、Rゲインを上げろということだ。


RGBゲインの調整

右下のモニターの設定メニューではRGBゲイン全てが初期値の100になっているので、
Rゲインを上げる代わりにGゲインを95、Bゲインを97に下げて白色調整をする。
これでRGBゲイン全てに緑色のチェックマークが付いて適正になった。


輝度のチェック

次は輝度のチェックが行われ、結果と調整パネルが表示される。
ここでは、輝度を下げろという指示の黄色の下矢印が出た。


輝度の調整

モニターの設定メニューでは輝度の初期値は75%になっていたが、43%に下げると目標値の120cdになり、
黄色の矢印が消えて緑色のチェックマークに変わり適正になった。
これで輝度の調整は終わりである。


キャリブレーション

この後、モニター画面に様々なカラーを表示しながら、3分程度のキャリブレーションが続いた。


iccプロファイルの保存

キャリブレーションが終わると作成されたプロファイルが表示されるので、
保存すると自動的にモニターのiccプロファイルとして適用される。

キャリブレーション後のDell P2016は、以前のI-O DATAのモニターの時と、ほぼ同じ明るさと色再現になった。
これで上下の明るさの違いを気にせずに、クリアな画面で写真の調整ができる。

0 件のコメント :